こんにちは。今年の抱負は「トーク力を磨くこと」のお寺ステイのHitomiです。そんな私にぴったりのイベントが1月14日(日)に開催されました。
このイベントは、元吉本のお笑い芸人の妙善寺ご住職から落語を習って自分で落語の発表できるようになり、お灸のプロである鍼灸師からお灸の使い方とツボの探し方を習ってお家でも自分でお灸ができるになる、体験型のイベントです。
落語とお灸の歴史とお寺との関わり
なんの共通点のない気がする落語とお灸ですが、実はこの二つには共通点があります。
・落語は、江戸時代初期に京都の「誓願寺」に赴任した「安楽庵策伝」という浄土宗の僧侶が「初めしんみり、中おかしく、しまい尊く言い習わし」という法話の基本を活かして笑いを取り入れた説法を始めたことが起源
・元々は中国発祥の伝統医学であるお灸は、江戸時代に真言宗の開祖でもある弘法大師様が持ち帰った灸法としてお寺を中心に庶民の健康法として大流行し、日本各地に広まった
どちらもお寺で行われていたのでお寺との相性はバッチリです。
落語指導の元お笑い芸人の的場ご住職
今回落語をご指導いただいた的場ご住職は、元々吉本で3年間お笑い芸人として活動していたという異例の経歴をお持ちのお坊さんで、師僧の病気をきっかけに仏門に入って修行を詰み、妙善寺のご住職となった今も老人ホームや東北への落語の慰問講演や、芸術活動をされている方のご支援をはじめとして、開けるお寺を広めて「心の善玉菌を作る」活動をされている穏やかで意欲的なお坊さんです。
(的場ご住職のお写真は参加者の方から頂きました。ありがとうございます!)
お灸指導のせんねん灸
お灸の指導をしてくださった鍼灸師さんは、一般販売のお灸の99パーセントのシェアを持つせんねん灸(株式会社セネファ)から来てくださいました。せんねん灸(株式会社セネファ)さんは、手軽にできて、薬に頼らない体に優しい健康法の東洋医学であるお灸をもっと世間の方に知ってもらいたいと、全国各地の鍼灸師さんとのコミュニティ作りやお寺でのお灸体験の活動をされています。
前半_緊張の落語家体験
落語パートでは、「たつ」という演目をご指導いただきました。ご住職の落語を聞いて頂いたのち、2-3人のチームになって役ごとにセリフを言って頂いたり、最後には参加者の中から代表二人が、台本も持たずに落語家顔負けの落語を皆さんの前で発表してくださいました。
落語はひとりで何役も演じ分けなくてはなりません。それぞれの役らしい表現をするのはとても難しいですが、そこで身につく表現力は普段の会話の幅もぐんと広げるのだそう。
参加者のみなさんも最初は照れ臭そうになさっていましたが、人前で発表をかさねていくうちに、最後には役になりきって堂々と演じ分けていらっしゃいました。
後半_ホッと体が温まるお灸体験
お灸パートでは、お灸の歴史の説明からはじまり、お灸の基本の使い方、肩こりや冷えに効くツボの探し方、それぞれの症状にあったツボの探し方とご指導いただきました。
子供を叱る時に使う「お灸を据える」という言葉があるように、お灸は熱くて痛いものというイメージがありましたが、ほんのり暖かいですが、全然痛くありませんでした。また、お灸は肩こりだけでなく、内臓の疲れや、風邪さえも治すことができるのだとか。
お灸を体験する前に前屈と体を反らす運動をしたのですが、たった二つのお灸をした後にもう一度前屈と体を反らす運動をして頂くと前よりも楽に体が動かせるようになっていて、お灸の効果の高さが目に見えてわかり驚きでした。
今回の落語とお灸の体験は家に持ち帰ってできることが何よりのお土産で、一度経験したことは奪われない。経験は必ず自分の糧となる。ということを身にしみて感じた体験となりました。参加者の方の中には「落語とお灸をお家に帰ってから家族にやってみよう」とおっしゃっている方もいらっしゃいました。皆さんも自分だけではなく家族や友人に持ち帰れる経験をなさってみてはいかがでしょうか。