ついて
大泰寺
比叡山の開祖・最澄が、
約千二百年前に開いた
南紀地方屈指の薬師霊場。
那智の滝で有名な
和歌山県那智勝浦町に
大泰寺は位置しています。
歴史に
耳を澄ます
由来
大泰寺は開創1200年、熊野古道沿いに立つ、比叡山の開祖 最澄により開かれた歴史あるお寺です。
お寺の縁起によると、地元の人々を苦しめる大蛇を封じるため最澄が柳の木より薬師如来を彫り上げ、お祀りしたのが大泰寺の始まりと言われています。
そして現在では、南紀地方屈指の薬師霊場として多くの方々に知られる存在となっています。
仏像
大泰寺には、平安・鎌倉・室町・江戸と各時代の仏像が揃っています。
1156年の銘を持ち、金泥塗りという、当時では最先端の彩色を施している本尊の薬師如来様。この貴重な仏像は、国の重要文化財に指定されています。
他にもそれぞれの仏像から、各時代の情景と繁栄を伺い知ることができます。
特徴
大泰寺は天台宗の寺院として始まり、多くの仏像を所有する一方、江戸時代に紀州が徳川御三家となってから臨済宗へ改宗しました。
一般的に禅寺では水墨画と庭園が有名で、仏像を多数所有しているところはほとんどありません。また、反対に密教系のお寺で水墨画や庭園を多数鑑賞できるところも多くありません。
ここ大泰寺は、多くの仏像を鑑賞できると同時に水墨画の鑑賞や坐禅の体験もできる、密教系の寺院と禅寺の特徴を併せ持つ珍しいお寺なのです。
自然
大泰寺は、世界遺産 那智の滝と同じ那智原生林に源を発する太田川が創り出した独立丘陵の中腹に立っています。周りに民家が少なく灯りも少ないので、晴れた日の夜には満点の星が空一面に輝きます。
そして、森からは虫たちのオーケストラも響きます。樹齢百年を超える大樹に囲まれた大泰寺。那智勝浦町の自然も、大泰寺を構成している大きな要素の一つです。